家庭教師を個人契約するときの契約書の作り方【テンプレート付き】

家庭教師を個人契約するときの契約書の作り方【テンプレート付き】

はじめに

いきなりですが、質問です。
家庭教師を個人契約しているみなさん、契約書は作成していますか?

信頼できそうな先生だからなくても安心」
「大学生の先生とわざわざ契約書を作るのも」
なんて思ってしまう気持ちも分かりますが、個人契約の場合でも契約書はしっかり作っておくことに越したことはありません。
契約書を作成しておくことで、もしものトラブルに事前に備えることができるのです。

しかし、「そんなこと言われても、契約書の作成方法なんて分からない……」という人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、そんな皆さんのために家庭教師バイトの契約書を個人で作成する際のポイントについて解説したいと思います。
具体的な手順や注意点など詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。

そもそも契約書は必要?

実は、契約というのは口頭だけでも成立します。

しかし、だからといって契約書を作成する必要なんてないと判断するのは大きな間違いです。

確かに口約束であっても、
・「家庭教師を依頼するということ」
・「授業をいつ行うか」
・「契約期間はいつまでなのか」
・「授業料はいくらなのか」
といったことを取り決めることは可能です。

しかしながら、こうしたことを文面に残さずに口頭の契約だけで済ましてしまうと、認識に齟齬が生まれトラブルの要因になりかねません。
そのため、長期間にわたる契約や複雑な内容の場合は、きちんと文書化することが一般的です。

契約書には、
・「誰と誰が」「どんな内容を」「いつ」合意したのか
・「いつから、いつまで」「誰にどのような権利・義務が発生しているのか」
といった内容が、誰が見ても分かるように書く必要があります。

このような契約書を作成することで、契約を結ぶ両者の共通認識が可視化でき、トラブル防止に繋がるのです。
ちょっとした行き違いや些細な揉め事を大きなトラブルに発展させないためにも、契約書はちゃんと作成するようにしましょう。

契約書は誰が作成するもの?

では、個人契約の家庭教師の場合、誰が契約書を作成するのでしょうか

基本的には、「ご家庭側」と「家庭教師の先生側」、どちらが作成しても問題ありません。

個人契約の家庭教師として経験豊富な先生などは、これまでに使ってきた契約書のテンプレートなどを持っている場合も多いようです。
こういう場合は、先生側が用意した契約書を使用してしまっても大丈夫です。
ただし、契約書の内容を相手に一任するのはNGです。
先生が作成した契約書は、ご家庭側でしっかりと確認するようにしましょう。
とくに学生の家庭教師などは、仲介サービスなどの業者に比べ契約書の作成に慣れていないケースが多いので、内容に不備がないか注意が必要です。

先生側の契約書に不満がある場合や先生側が契約書を用意していない場合は、ご家庭で契約書を作成しましょう。
この際、先生にも内容をしっかりと確認していただくようにしましょう。
家庭で契約書のテンプレートを用意しておくと、家庭教師を変えるときや下のお子さんの家庭教師を今後お願いするときなどにもスムーズに契約を結び直せるのでおすすめです。

どちらの場合でも、双方できちんと話し合い、お互いの認識にズレがないように気をつけてください。

契約書のテンプレートはネットで入手可能!

自分で契約書を作るとなると、どうやって作れれば良いのか分からず困っている方も多いでしょう。
そこで、この章では契約書のテンプレートについて解説していきます。

実は、契約書には「一定の型」というものが存在します。
こうした契約書の型は、テンプレートとしてネット上のサイトなどで公開されていたり、PDFファイルやWordファイルとしてダウンロードできるようになっています。

以下のサイトでは、家庭教師の契約書のテンプレートが紹介されているので、ぜひ参考にしてください。

家庭教師に関する契約書の書き方 | 商取引・委託・委任等に関する契約書の書き方 |文例書式ドットコム

よくあるご質問 | 家庭教師を個人契約で紹介。直接先生を検索して探す。登録は無料。家庭教師の100点ネット

こうしたテンプレートをもとに、ご家庭の事情に合わせて適宜アレンジを加えていけば、初心者でも簡単に契約書を作成することができます。

ただし、テンプレートはあくまでも参考例として考えてください。
最終的には、ご家庭で責任を持って契約書の内容を決定する必要があります。

契約書サンプルと解説

では、一般的に家庭教師の契約書にはどのようなことが書かれるのか、具体的な例を見ていきましょう。
参考とするテンプレートはこちらです。

まず、タイトル+前文です。

契約書のタイトルと前文

タイトルには、何についての契約書であるかをなるべく簡潔に記すようにしましょう。
そして前文では、契約書中の「甲」と「乙」が何を示すかについてはっきりと定義します。

続いて本文です。
本文は、言及する内容ごとに第○条という形でまとめましょう。
例えば、ここでサンプルとして扱っているテンプレートでは、第1条から第12条まで、下記の通りの内容が含まれています。

  第1条(授業料)
  第2条(交通費)
  第3条(授業の曜日・時間)
  第4条(授業の曜日・時間の変更)
  第5条(授業のキャンセル)
  第6条(授業料の増減)
  第7条(禁止事項)
  第8条(契約の終了)
  第9条(授業料の支払方法)
  第10条(契約条項の変更)
  第11条(信義誠実義務)
  第12条(特約条項)

それぞれの条文の内容については、家庭教師と家庭でよく話し合い、できるだけ具体的な数字で定めるようにしましょう。

なお、上の例で第12条に出てくる「特約」とは、特別に条件をつけた約束のことです。
家庭教師の契約に関して特別なルールを定めない場合には書く必要はありません。

そして続いては、末文です。

契約書の末文

末文には、契約書を「何部」作成し「誰が保管しておくのか」を明記することで、契約書のありかを保証します。

最後は、作成日+署名捺印です。

契約書の作成日と署名捺印欄

ここでは、契約書を作成した年月日を書きましょう。

加えて、双方が署名・捺印を行うことで、契約当事者の意思表示となり、契約が成立します。

契約書の確認ポイントは?

契約書を作成する上で、押さえておきたいポイントがいくつかあります。

まずは、曖昧な表現を使っていないか?」ということです。
語弊を避けるため、授業料や契約期間など具体的に書ける部分に関してはできるだけ数字を使って明示するようにしてください。

また、「契約の内容に一方的な部分が含まれていないか?」ということもしっかりチェックしておきましょう。
高額な教材の購入が義務付けられていたり、授業料が一括払いになっていたりするなど、契約を結ぶどちらか一方に不利な内容が記載されている可能性もあります。
不利な契約を結ばされる事態を防ぐため、内容をよく確認してから署名するようにしましょう。

契約書は授業の質や成績を担保するものではない

ここまで契約書を作成する手順について解説してきました。

皆さんに注意していただきたいのは、
「契約書は基本的な約束を明示するものであって、契約した家庭教師の授業の質生徒の成績の向上を担保するものではない」
ということです。

また、お互いの署名があればどんな約束もできるというわけではありません。
民法では、「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」と定められています。
公序良俗に反するような内容や契約を結ぶ一方にとって有利な内容は、無効となる場合もあります。
極端な例ですが、「生徒がテストで100点を取れなかった場合は授業料を無料にする」というような条件を含む契約は成立しないということです。

おわりに

ここまで、家庭教師を個人契約する際に契約書を作成することのメリットや、具体的な手順について説明してきました。

契約書を作成することで、契約内容について網羅的に定め双方の共通認識を確認することができる上、トラブルの際には契約書の内容を根拠に対応することができます。
やはり、「契約書を作成しておくに越したことはない」というのは間違いなさそうですね。

契約書は家庭教師側が用意する場合もありますが、悪質な家庭教師に不利な契約を結ばされないためにも、契約書に関する基礎的な知識を身につけておくのが安全です。

また、個人契約によるトラブルが心配な場合は、無理をせず仲介サービスなどの業者を利用することをおすすめします。

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